【吹田市】地域の皆さんの様々なニーズに応える歯科医院

総合的な歯科診療を目指す医師

歯科医師を目指されたきっかけは何でしょうか？

私は細かい作業が大好きな性格なんです。両親に歯科医師がいたわけではなく、全く別の職業でした。でも、小さなことに丁寧に向き合うのが大好きだったんです。繊細な作業なら自分の力を発揮できると感じていました。高校生の頃から自分の得意なところを見極めて、歯学部へ進もうと決めました。

北千里で開業を決意されたのはなぜですか？

私は豊中の出身なので、地元周辺で開業先を探していました。この地域は馴染みがあり、土地の雰囲気もよく知っていたんです。当時、駅前の歯科医院は1軒しかなかったので、よりみんなが通いやすい医院を目指ざそうと思いここに開業をしたんです。

また、この地域には子育て世代が多いことにも気づきました。近くの小児科クリニックもあり、子連れのお母さんたちもよく見かけます。最初は小さな子供たちが多かったのですが、今は地域の年齢構成も変わってきています。
私のモットーは「健康寿命」です。若いうちから歯のメンテナンスを大切にすることで、将来にわたって健康に過ごせると信じています。大学卒業後、医科大病院で勤務した経験から、歯だけでなく全身の健康にも目を向けるようになりました。口腔外科で学んだことも、この考えに大きく影響していますね。

藤田先生の得意分野は何ですか？

私は特定の得意分野というより、幅広く対応することを大切にしています。ジェネラルプラクティス、つまり総合的な歯科診療を心がけているんです。住宅街の診療所として、地域の皆さんのさまざまなニーズに応えたいと思っています。

近くには大阪大学病院があるので、専門的な治療が必要な場合は、すぐに紹介できます。歩いて10〜15分、バスでもすぐに行ける距離なので、お年寄りの方も安心して通院できます。特に大阪大学歯学部附属病院は歯の専門病院なので、心強い存在ですね。

健康寿命を延伸するために必要なこと

健康寿命を延伸するためにも、口のメンテナンスも重要だとのことですが、なぜ重要なのでしょうか。

健康な人生を送る上で、口腔ケアは単なる歯の管理以上の重要な意味を持っています。私たちの口は、人生を豊かに生きるための重要な入り口であり、生命維持に欠かせない重要な器官なのです。
まず、食べることの意味を考えてみましょう。食事は単に栄養を摂取するだけではありません。おいしく、楽しく食べることは、人生の最大の喜びの一つです。自分の歯でしっかりと噛むことで、食べ物の味や香りを最大限に感じることができます。咀嚼は単なる物理的な行為ではなく、私たちの感覚を最大限に活性化させる大切な行為なのです。

口腔内は驚くほど複雑で過酷な環境です。湿度100%、一定の温度、そして絶え間なく侵入してくる細菌の栄養源。まるで高性能な細菌培養器のような場所と言っても過言ではありません。一本の歯には数十キログラムもの力がかかると言われており、この過酷な環境で歯を健康に保つことは、実に大変な挑戦なのです。

歯ぎしりや食いしばりは、多くの方が気づいていない健康リスクです。夜間に無意識のうちに行われるこれらの行為は、歯や歯茎に過度のストレスをかけ、歯周病のリスクを高めます。一見健康的な生活を送っている方でも、気づかないうちに歯の寿命を縮めている可能性があるのです。

当院では、患者さん一人一人の口腔環境を丁寧に診断し、治療のメリットとデメリットを慎重に検討します。単に治療するだけでなく、予防医学の観点から、長期的な健康を見据えたアプローチを心がけています。驚くべきことに、一生懸命歯を磨いていても、歯や歯茎の調子が上がらない方が思いのほか多いのです。

口腔ケアは、単に歯を綺麗に保つことだけではありません。呼吸器系、消化器系の入り口として、また感覚器官として、私たちの健康と密接に関わっています。歯の健康は、栄養摂取、免疫機能、そして全身の健康に大きな影響を与えるのです。

例えば、歯の欠損や噛む力の低下は、栄養摂取に影響し、さらには筋肉量の減少や認知機能の低下とも関連することが分かっています。つまり、口腔ケアは健康寿命を延ばす、極めて重要な要素なのです。ブラッシングの仕方、歯間ブラシの使用、定期的な歯科検診、これらはすべて予防医学の重要な要素です。歯の健康は、単に歯の問題だけでなく、全身の健康と深く結びついているのです。

高齢者の方が簡単に自宅でもできる予防はありますか？

自宅でのデンタルケアは、健康な歯を維持するための重要な第一歩です。単に歯ブラシを使うだけではなく、歯間ブラシ、デンタルフロス、マウスウォッシュなど、さまざまなアイテムを組み合わせることで、さらに効果的な口腔ケアができるんです。

特に高齢者の方には、それぞれの方の状態に合わせたケア方法をお勧めしています。例えば、関節が硬くなって歯ブラシの操作が難しい方には、取っ手の太いブラシや電動歯ブラシ、柄の曲がったブラシなどを提案しています。歯間ブラシも、太さや形状が異なるものがたくさんあるので、自分に合ったものを見つけることが大切なんです。

当院では、患者さん一人一人に合わせた具体的な指導を心がけています。実際に歯ブラシの持ち方や動かし方を一緒に確認したり、鏡を見ながら磨き方をアドバイスしたりしています。難しく感じるかもしれませんが、少しずつ習慣にしていけば、必ず上手になります。

先生ところに来られて歯間ブラシとかデンタルフロスを使うきっかけになった方は多いですか？

私たちは患者さんに歯間ブラシを勧めており、多くの方が当院をきっかけに初めて使い始めています。最初は難しそうに感じる方も、使い方を丁寧に説明し、実際に一緒に試してみると、「意外と簡単だった！」と驚かれる方が本当に多いんです。

歯間ブラシは、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間の隙間をきれいにできるアイテムです。虫歯や歯周病の予防に欠かせません。最近は、サイズや形状もバリエーション豊富で、自分に合ったものを選べるようになっています。
咀嚼に関しても、大切なポイントがあります。硬すぎるものを避けつつ、顎の筋肉をしっかり動かすことが重要なんです。噛む力を意識することで、唾液の分泌も促進され、お口の中の環境も良くなります。頭ではなく、顎でゆっくりと噛むことを心がけてください。

勇気を出して別の医院を探すことも大切

歯医者を選ぶにあたって重要なことはありますか？

歯科医院選びは、とても個人的で慎重に行うべきプロセスです。できれば2〜3軒の医院を比較してみることをお勧めします。確かに3軒は少し大変かもしれませんが、自分の健康に関わることですから、じっくり選ぶ価値は十分にあります。

比較のポイントはいくつかあります。まずは近所の口コミや友人・家族の意見。次にホームページや院内の雰囲気。先生や歯科衛生士との相性、設備の新しさ、治療方針の説明のわかりやすさなども重要です。初診時に、どれだけ丁寧に話を聞いてくれるか、不安にしっかり答えてくれるかも大切なチェックポイントです。

最初の医院で完全に納得できなければ、勇気を出して別の医院を探すことも大切です。ただし、治療の途中で頻繁に変わるのは避けた方がいいでしょう。

医療は信頼関係の上に成り立つものです。途中で変わられると、治療の連続性が失われる可能性があるため、少し寂しい気持ちはあります。しかし、患者さんの気持ちに寄り添うことが何より大切だと考えています。

もし不満や不安があれば、まずは現在の歯科医院の先生とじっくり対話することをお勧めします。多くの場合、コミュニケーションによって誤解が解けたり、より良い治療方法が見つかったりするものです。

理想的なのは、一つの治療をその医院で最後まで完結させることです。あちこちの医院を転々とすることは、結果的に患者さんにとってデメリットになる可能性が高いんです。

例えば、3軒も回ったとして、最終的には治療は必要なので、どこかの時点で医院と信頼関係を築くことが大切です。それぞれの医院には得意分野や治療方針があり、途中で変わることで、これまでの治療の経過や方針が途切れてしまう可能性があるからです。患者さんとの長期的な信頼関係を築き、継続的で質の高いケアを提供することが、私たち歯科医院の最大の使命なのです。

症状をまず治療し信頼関係を築く

患者さんのここが困るというのはございますか？

患者さんとのコミュニケーションで一番難しいのは、自分の症状をうまく伝えられない方です。「あれも気になる、これも気になる」と、たくさんの症状を一度に話される方がいらっしゃるんです。そうすると、本当に一番大切な、緊急に治療すべき部分が見えにくくなってしまいます。

私たち歯科医院では、患者さんの主訴、つまり一番気になっている症状を的確に把握することが重要です。例えば、痛みがあるところや、すぐに治療が必要な部分を優先的に診させていただきます。医学的な観点から、緊急性の高い症状と患者さんの要望をバランス良く対応することが大切なんです。

時には患者さんと治療の優先順位について意見が分かれることもあります。「この部分は1カ月後でも大丈夫」と診断しても、患者さんが今すぐ治療を希望される場合もあります。そんな時は、患者さんの気持ちに寄り添いながら、最適な治療方法を一緒に考えていきます。

私たちの基本姿勢は、患者さんが一番気になっている症状をまず治療し、信頼関係を築くことです。患者さんに「先生は私の気持ちを理解してくれた」と感じていただくことが、長期的な治療の成功につながるのです。

患者さんへのメッセージはございますか？

人生100年時代と言われる今、歯の健康はとても大切です。自分の歯で美味しく食事を楽しむことは、人生の大きな喜びです。入れ歯でも食べられますが、やはり自分の歯で噛むのは全く違う味わいがあります。

特に若い方々に伝えたいのは、歯のケアをおろそかにしないでほしいということです。20代、30代は「まだ大丈夫」と思いがちですが、この時期の習慣が将来の歯の健康を大きく左右します。統計的に見ると、6割の方は定期的なメンテナンスをお勧めできます。残念ながら4割の方は、どんなにケアしても難しいケースもあります。しかし、諦めずに継続することが何より大切なんです。

若い世代の方々、特に20代、30代の方々へ。今のうちから歯の健康に気をつけてください。暴飲暴食や不規則な生活は、将来の歯の健康に大きな影響を与えます。40代になって「歯が悪くなった」と感じてからでは遅いんです。
生涯にわたって自分の歯で美味しく食事を楽しむために、今できることから始めましょう。歯磨きは面倒くさいかもしれませんが、将来の自分への投資だと考えてください。定期的な歯科検診も、健康な歯を維持するための重要な一歩です。

人生100年、健康で豊かな食生活を送るために、今日から歯のケアを大切にしてください。