【尼崎市】患者さんと一生付き合っていく、信頼できる歯科医院

吉竹歯科医院
吉竹 弘行 院長
(兵庫県尼崎市)

公開日:2026.01.30 | 更新日:2026.01.30

インプラント治療が一般的になった今、「本当に自分に必要なのか」と迷う患者さんも少なくありません。見た目や技術に惹かれて治療を受けたものの、思うような結果が得られなかった――そんな声を耳にすることもあります。

今回は、尼崎で30年以上にわたり地域医療に携わる吉竹先生にお話を伺いました。
「インプラントを希望する患者さん全員に、必ずしもインプラントを勧めるわけではない」と話す吉竹先生。なぜ歯が悪くなったのか、その原因を見極めたうえで、患者さん一人ひとりにとって本当に必要な治療だけを提案する――そんな診療スタイルを貫いてこられました。

インプラントは万能ではありません。骨格、噛み合わせ、生活習慣…。長期的な視点で診るからこそ見えてくる「やるべき治療」と「やめておいた方がいい治療」があるといいます。治療の選択肢が増えた今だからこそ、吉竹先生の率直な言葉に耳を傾けてみてください。

歯科医師になった自身の経歴について

吉竹先生が歯科医師を目指されたきっかけは何でしょうか?

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もともとのきっかけは、父が歯科医師だったことです。父が初代で、私が二代目です。そして、今では息子が三代目として歯科医師になりました。

父は最初この場所とは違うところで開業しましたが、昭和48年に現在のこの場所に医院を建てました。今の医院は、1階と2階が診療スペースで、3階は研修室やスタッフルームがあります。診療チェアは全部で7台ありますので、患者さんにはゆったりとリラックスして診療を受けてもらえるようにしています。診療だけでなく、スタッフの教育や研修のための設備を整えています。

父の姿を見て育ったことが、自然と歯科医師への道を選ぶ流れになったんでしょうね。気づけば、自分もこの仕事に強い思いを持つようになっていました。

こちらの医院には、どんな年代の患者さんが多く来られていますか?

ご高齢の患者さんが多いですね。若い頃からずっと通ってくださっている方も多くて、今では平均年齢で言うと70歳ぐらいかなと思います。だいたい50代から80代くらいの方が中心です。長いお付き合いの患者さんが多いので、皆さんとの関係性も深いですね。

治療の内容としては、むしろ「メンテナンス」で通ってくださっている方がとても多いんです。年齢に関係なく、予防意識の高い方が本当に増えました。特にご高齢の方でも、ただ治療するだけでなく、治療した後の状態をどう維持していくかに目を向けてくれるんです。これってすごく大事なことだと思っています。

歯の治療って、一度やったらそれで終わりではなくて、「どうやって守っていくか」が大事なんですね。私たちは、患者さんにご自身のリスクをしっかり理解していただくことが重要だと考えていて、それを伝え続けてきました。つまり「自分の口の中で、どこにリスクがあるか」を自分でわかっていて、それをチェックするために歯医者に通うというスタンスですね。

「自分のリスクを自覚している人を増やしたい」という思いでずっとやってきました。定期健診をしっかり受けてくださる方も増えてきて、その取り組みは少しずつ成果が出てきているように感じています。

歯科医院として大切にしていること

吉竹先生が特に得意とされている分野があれば教えてください。

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「これが一番得意です」とはっきり言えるものは、正直あまりないんです。ただ、インプラントについてはインストラクターとして教える立場にも立っています。だからといって、それが「一番得意」と言えるかどうかは、ちょっと難しいですね。

インストラクターをされているということは、やはりインプラントは得意分野なんじゃないでしょうか?

そう言ってもらえると、そうなのかもしれませんね(笑)。実際、インプラントの患者さんは多いですよ。ありがたいことに、他の先生からの紹介で来られる方が結構いらっしゃるんです。インプラントって一人ひとりの状況に合わせた計画と技術が必要なので、そのあたりを評価していただいているのかなと思っています。得意というよりも、しっかり向き合ってきた分野ですね。

吉竹先生は日本歯内療法学会の理事をされていたと伺いました。

はい、以前は理事をしていましたが、年齢的なこともあり今は顧問という立場になりました。若い先生方にどんどん活躍してもらいたいですし、現場の役割を少しずつ変えていくタイミングかなと感じています。

歯内療法は保険診療だと大変だとよく聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか?

確かに、そういう面はあると思います。保険診療の範囲内ではできることが限られています。歯内療法を丁寧にやろうと思うと本当に手間も時間もかかるんです。でも、保険診療ではそういった努力や時間がなかなか反映されにくいのが現状です。

アメリカと日本での歯内療法における成功率の違いを調査したデータがあるんですが、特に大きな差が出たのが「ラバーダム」の使用率でした。アメリカではほぼ当たり前のようにラバーダムを使いますが、日本の使用は25%程度、学会員や専門医で50%くらいなんです。歯内療法の成功率はラバーダムの使用率と大きく関係しています。

日本で使用率が低い理由としては、ラバーダムを使っても使わなくても保険点数が同じだからです。アメリカでは費用に反映されるので、時間をかけて丁寧に治療できる環境が整っています。日本の歯科医師が手を抜いているわけじゃないんですが、アメリカと日本の制度の違いによって、治療に差が出てしまうのがもどかしい部分です。

歯科治療は準委任行為と言われていて、家を建てるように「完成品を保証する」ことはできないんです。医療というのは、患者さんから「この治療をお願いします」と依頼されて、それを誠実に実行するものなので、保険点数は「結果」に対してではなく「行為」に対して適用されているんです。その中で、日々できる限り最善を尽くしています。

高齢の患者さんが多いとのことですが、治療の際は他の医療機関と連携もされていますか?

はい、連携はしています。特に、高血圧や糖尿病などの持病がある方、また多くの薬を服用されている方には注意が必要です。そういった患者さんに対しては、最新のデータをいただいて、状態を把握してから対応するようにしています。
たとえば、抜歯って技術的には難しくなくても、全身状態によってはその後の経過が怖いんです。術後に感染が起こるリスクや、血圧の変動など、慎重に考えないといけないことが多いです。そういったリスクが高い場合には、近隣の設備が整った病院に紹介して診てもらうようにしています。

判断の基準は、処置の難しさというよりも、年齢や持病といった「全身的なリスク」があるかどうかです。そうした要素を含めて、「当院で対応できるかどうか」を慎重に判断しています。

小児の患者さんも診られているのでしょうか?

はい、小児の患者さんも来られますが、数は少ないです。
というのも、私が昔から診てきた患者さんのお子さんやお孫さんが来てくださることもあって、そうしたご縁で小児の患者さんもいます。「小児は診ていない」と思われているかもしれませんが、しっかり診ていますのでご安心ください。

小児は、基本的には息子が担当しています。

医院の展望と目指される医院の理想像

今後、先生が目指されていることはありますか?

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私は、患者さんと一生付き合っていくつもりで診療をしています。できれば、亡くなるその日までお口の中をしっかりと診て差し上げたいと思っているんです。自分の歯で、できるだけ長く、美味しく食事をしてもらうことが私の願いですね。

実際、これまでに亡くなられた患者さんも多くいらっしゃるんですが、皆さんの口腔内写真は今もすべて保存しています。30年以上前から、口腔内写真を撮るようにしていて、術前と術後、そして経過がきちんとわかるようにしています。顔とのバランスや骨格も含めて記録しておくことで、その方にとって最適な治療ができるからです。

インプラント専門の医院はたくさんありますが、インプラント専門医を名乗っている先生は信頼してもよいのでしょうか。

信頼できる歯科医というのは、ただ患者さんの希望通りに治療するのではなくて、必要なタイミングを見極めて、やらない選択も含めて正直に伝える人だと思っています。患者さんの年齢や口の中の状況によっては、「今はインプラントをやらないほうがいい」「この歯がダメになってから考えましょう」といった判断が必要です。実際、インプラント希望で来られても、治療するのは半分くらいです。「なぜ今やらない方がいいか」をしっかり説明して、納得してもらうようにしています。

また、定期的にメンテナンスに通ってくださる患者さんの中で、歯周病や虫歯よりも、「歯の破折(割れること)」で歯がダメになるケースが圧倒的に多いんです。原因は、ほとんどが「食いしばり」です。私は、写真を撮って「ここが危ないですよ」「将来的に割れるかもしれません」と、今後についてきちんと説明しています。

そういった患者さんには、マウスピースなどの提案もされるのですか?

もちろんです。うちの衛生士はメンテナンス中によく見てくれていて、歯周ポケットの一部が異常に深くなっていたり、歯が割れる前兆があると気づいたら、すぐ私に報告してくれます。

また、骨格のタイプも診るようにしています。「エラが張っている」タイプの方は顎の力が強くて歯に負担がかかりやすいんです。逆に、骨格が細い方や前歯のかみ合わせが良い方は、比較的割れにくい。そういった点も含めて、「あなたはこういうリスクがありますよ」と丁寧にお伝えしています。その上でマウスピースなど適切な予防方法を提案しています。

たとえメンテナンスにしっかり通っていても、歯が割れるリスクはゼロにはできません。1回ヒビが入ってしまうと、見た目ではわからなくても、噛んだときの痛みなどから予測がつきます。写真や噛み合わせの様子を見れば、「これは将来割れるな」という予測がある程度わかるんですよ。そういう場合には、神経を取らずにしばらく様子を見る、あるいはヒビが進行したら抜歯に切り替える、といったように段階を踏んだ対応をしています。

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インプラント治療を希望して来られた方に、実際には処置をされなかったケースでは、その後どのような対応をされるのですか?

例えば奥歯が1本ないようなケースなら、「今、噛めているなら、まだインプラントは必要ありませんよ」とお伝えします。無理に入れてしまうと、インプラントそのものがダメになる可能性もありますし、うまく維持できても、今度はまわりの天然歯に負担がかかってしまうこともあります。

だからこそ、私は表面的な治療ではなく、根本的な原因に目を向けて処置していきたいと考えているんです。
正直、もしお金儲けだけを考えるなら「すぐインプラントしましょう」と言った方が手っ取り早いです。でも、それは医療ではありません。医者の仕事は、患者さんにとって“最良の選択肢”を提示することだと思っています。

インプラントよりも、もっと大元の問題を見ておられるんですね。

そうですね。
たとえば「8020運動(80歳で20本の歯を残す)」を達成しているのは、「正常咬合(上下の歯が正しく噛み合っている状態)」の方が多くを占めています。根本的な問題の多くは“骨格由来”です。

もちろん、歯をよく磨くことで虫歯や歯周病などの他の要素を排除することはできます。

ということは、骨格的な問題を改善するには矯正が必要になるのでしょうか?

結局は矯正という話になってきます。でも骨格自体は変えられません。歯の位置を動かすには限界がありますから、本格的に改善したいとなると「外科矯正」という選択肢になることもあります。ただ、それはハードルが高いので、実際にはそこまで踏み込める方は少ないですね。

そうなると現実的な対応としては「マウスピース」などを用いて、歯への負担を軽減し、悪化のスピードをできる限り遅らせるという方針になります。

つまり、現状では“完全な予防”というのは難しいということですか?

マウスピースを使っても、悪化のスピードを緩めることはできますが、完全には防げません。今この時点で、80歳までに20本の歯が残るかどうかは、骨格を見ればある程度は予測がつくので、「あなたの骨格では、将来的にこういうリスクがありますよ」と伝えることはできます。

では、子どもの頃なら骨格の修正は可能なのでしょうか?

ある程度は可能です。だから、もし骨格的に問題があるなら、正直「親の責任」だと思っています(笑)。
子どもの場合は「床矯正」といって、骨格そのものを広げながら歯を動かす方法が使えるんです。成長途中であれば、まだ回復の余地はあるんですよ。

だからこそ、うちでは顔写真の撮影もしているんです。顔の骨格を見れば、将来のリスクがある程度予測できるので、「このままでは将来厳しいですよ」というのが、視覚的にも伝えられるようにしています。

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誰にでもインプラントは良い治療ではないのですね?

そうなんです。インプラントを希望して来られた方でも、「この人ならインプラントで本当に喜んでくれるな」と思えるケースもあれば、「この方にはインプラントをしても絶対満足してもらえない」と判断することもあります。だから、きちんとお話をするんです。

その人の骨格や噛み合わせの状態を見れば、インプラントが長持ちするかどうか、おおよそわかります。でも一番大事なのは、「なぜその歯が悪くなったのか」を突き止めることです。

原因を放置したままインプラントを入れても、また同じように壊れます。その根本原因を患者さんと一緒に見つめ直して、理解してもらうことが大切なんです。

インプラントは、お金さえ払えば誰でもできると思っていました。

そう思っている方が多いかもしれませんね。でも実際は違います。
たとえば、「あなたの歯が悪くなったのは噛み合わせや骨格に問題があるからです。矯正をしないなら、今インプラントを入れても長くは持ちませんよ」と私はちゃんと伝えます。矯正をした方がいいケースなら、専門の先生に紹介もしますし、それが患者さんの将来のためだと思っています。

お仕事の都合などで矯正が難しい方もいます。矯正はできないけれど噛めるようになりたいという気持ちもよくわかります。その場合は、「このインプラントは将来壊れる可能性が高いです」とリスクを説明したうえで「今はインプラントをしましょう」とご本人の希望を尊重することもあります。インプラントも消耗品のように考えるケースもあるということです。

つまり、長持ちさせるにはやはり噛み合わせや骨格への対策が必要なのですね?

そうですね。本気で治したいなら、矯正や場合によっては外科矯正しか方法はありません。
噛み合わせや骨格に問題があるままでは、インプラントをしても長持ちさせることは難しいです。ただ、マウスピースを使うなど多少リスクを軽減する方法はあります。

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患者側もある程度、歯科の知識がないと判断できませんね。

自分自身で歯科の情報を調べることは良いことですね。
インターネットなどで検索すれば情報が出てきます。論文などを読みこなすのは難しいですが、基礎的な知識を身につけて先生と相談すると理解も深まると思います。信頼できる先生と納得いくまで相談することが最も大事です。

このサイトをご覧になる方へ、先生からメッセージをお願いします。

やっぱり結局は、どこまで患者さんのことを一生懸命考えてくれるかっていうところに尽きると思います。
「誰かの紹介だから安心」とか、そういうことで変わるわけじゃない。手を抜く先生か、そうじゃないかは先生自身の姿勢の問題なんですよ。

私は正直、手を抜くのは許せないと思っています。
もちろん、私も人間ですから、相性が合う・合わないはありますよ。でも、どれだけ苦手だと思う患者さんでも、治療に関しては誠意をもって全力でやります。それが医療だと思っています。

この記事の監修歯科医師
吉竹 弘行 院長

吉竹 弘行 院長(吉竹歯科医院)

兵庫県尼崎市/JR立花駅 徒歩15分

大阪歯科大学卒業後、地域医療に携わりながら歯科臨床の経験を積み、1985年より吉竹歯科医院に勤務。1999年に医院を継承し、現在に至るまで、地域の皆さまの健康と笑顔を守る歯科医療に取り組んでおります。 患者さんは、歯の痛みや不調だけでなく、日々の生活背景や不安を抱えて来院されます。当院では、それぞれの患者さんに寄り添い、ライフスタイルに合わせた最適な治療計画をご提案することを大切にしています。治療を通じて、患者さんがより良い人生を歩めるようお手伝いできることが、私の何よりの喜びです。 また、治療後の健康状態を長く維持するためのメンテナンスにも力を入れています。経験豊富な歯科衛生士と連携し、継続的な口腔ケアを実現することで、患者さんの笑顔と健康を守り続けたいと考えています。

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施設情報

医院名 吉竹歯科医院
所在地 〒660-0893
兵庫県尼崎市西難波町1-3−5 千昌ビル
連絡先 06-6416-6480
最寄り駅 JR立花駅 徒歩15分
公式サイト https://yoshitake-dental.com/