大阪市北区の梅田の中心部にあるHEPナビオ 岡田歯科医院は、2024年4月にHEPナビオ(阪急メンズ館)6Fに移転開業されました。
レーザー治療機の発売当初から歯科におけるレーザー治療を研究し、最近では減ったとはいえ年間20回程度、関西を中心に全国で講演をしてレーザー治療機の有効な使い方を歯科医師の方々に教えておられるそうです。
歯科用レーザー治療機は30年近く前に発売され、今では半数近い歯科医院で導入されています。レーザー光線といえばレーザーメスが医療機器として有名です。出血や痛みを抑え、縫合が不要なため、内臓の外科手術でよく使われています。
レーザー治療研究の第一人者で、歯科医療界にレーザー治療の有用性を広めつつ、ご自身の歯科医院で治療されている岡田修二先生に詳しくお話を伺いました。
新しい選択肢、レーザー治療とは
レーザー光線とはどのようなものですか?
レーザーという言葉はみなさんよく聞かれる言葉だと思いますが、要は「光」です。ただ、特殊な光なんですね。例えば太陽光線も「光」ですが、あれは虹にも表れているように、様々な波長の光が集まってできたものです。それとは違い、レーザーはたった1つの波長に特化した光なんですよ。
レーザーの光は、ものすごく直進性があります。なので、例えば月にレーザーを当てると跳ね返ってきて距離が測れるというくらい特殊なものだと思っていただけたらと思います。
レーザー光線が医療にどう関わるのでしょうか
みなさんが一番馴染み深いものでいうと、「レーザーメス」というものがあります。例えば、外科の手術で金属のメスを使わずにレーザーメスを使ってお腹を切るといったものです。
実は、レーザーというものが入ってきた一番最初の頃は、変な言い方になりますが「わけがわからない状態」でした。それを、歯科を含めた医療でどうにか使えないか…という中で、いきなり製品が出て来たんですよ。後は、現場の人達で試してくださいという感じで丸投げ状態でした。そんな中で、医師や歯科医師たちが試行錯誤し使い続けてきて、今で30年近くになります。日本だけじゃなく、世界でです。
なので、最初から「レーザーを使ったらこんな効果があります!」という状態で製品になったワケじゃないんですね。医療機器というものの中で、レーザーは非常に特殊であると言って過言ではないと思います。
現場の人間は、学会を作り、与えられたものを用いて色々勉強するわけです。
メスを使うよりもレーザーメスの方が、キレイに切れることを発見したのも現場の医師たち。ですので、「レーザー治療」というものは、現場の医師たちが組み立てていった治療法というわけなんですよ。そういう意味では、当時、現場の医師は知ってるけれど大学の先生は知らないというものだったんですね。
歯の治療とケアへの取り組み
岡田先生が歯科医師の道を志すきっかけは何だったんでしょうか
元々医学部を目指していたんですが、友人が大阪歯科大学を志望しているのを知って、私も模試の志望校に書いたことがきっかけです。家からすぐ近くに大阪歯科大学付属病院があったこともあり、父の強力な勧めもあって大阪歯科大学に入学しました。
その後、大阪市北区にある岡田ビルの1階で岡田歯科医院を開業しました。
移転前の岡田歯科医院では、どのような患者さんが多かったですか?
大阪市北区といっても、周辺は住宅と小規模な企業が混在している街で、目の前が天神祭りで船渡御と花火が上がる大川です。普段は人通りが少なく、また最寄り駅の天満橋や南森町、大阪天満宮からも徒歩8分と中途半端な場所でした。
古くからの大阪の街で、地域密着型の典型でしたのであらゆる年齢層の方が来院されていました。30年間その地で治療してきましたので、三世代で来ていただいた患者さんもいました。
先生がモットーにされている歯科医療とは?
「快適」と「ストレスゼロ」です。
誰だって歯科医院というのは嫌な場所です。歯科医院に来ること、待合室で待つこと、治療を受けること。場面場面で感じるストレスをいかにゼロまで軽減するか。
例えば待合室にはクラシックなスピーカーを置いています。移転時に持ってきました。良い音楽を良いスピーカーで流すことで、診療室から漏れる「キーン」という音が聞こえないようにしています。
また、治療の際には最も音が小さいタービン(歯を削る機器)を使っています。歯を削る際には痛くないようにしており、これはタイミングや角度など、長年培ったテクニックとしか説明のしようがありません。
クラウン(被せ物)やインレー(詰め物)をセットした直後、噛み合わせの違和感を感じることがあるという話を聞いたことはありませんか?
違和感があるということは、実際きちんとした噛み合わせになっていないからです。クラウンやインレーをセットした後、歯科医師が時間と手間を厭わず細かい部分を調整すれば、違和感は残りません。
患者さんのストレスは、歯科医師が時間と手間を厭わず、たとえ1,000円くらいの治療でも100%全身全霊で取り組めば、ゼロにまで減らせると信じています。
岡田先生の心に残っている患者さんとのエピソードはありますか?
幼稚園に通っていた女の子がお母さんになって、その子どもを連れて来院されたとき、家族みんなに信頼されているなと実感しました。
あとは亡くなった患者さんですね。何十年とその方の口腔内をメンテナンスしてきて、亡くなるまで自分の歯で食べることができたというのは、歯科医師として一つの使命を果たしたと思えました。
HEPナビオに移転したことをご存じなくて、前の医院にかけた電話が転送されて移転を知り、わざわざ電車に乗って今の医院来てくださる患者さんが数多くおられます。ありがたいことですし、前の医院で30年間してきた診療が間違っていなかったという自信にもなっています。当分の間、電話の転送サービスを続けないといけませんね。
メンテナンスが最重要
いつ頃から患者さんへのメンテナンスに力を入れ始めましたか?
メンテナンスには30年前から取り組んでいます。
30年前は治療が中心で、メンテナンスや予防の重要度は今ほど高くはありませんでした。
人間の口は食べ物や飲み物、もっと言えば空気も含めて体全身の入口です。そこを健康に保つことが、全身の健康につながることは当たり前の話です。
そこで当院では、歯科衛生士による患者さんへのブラッシング指導を徹底して行います。もちろん初診時は悪い個所の治療をして、その後ブラッシング指導をして患者ご自身でお口の健康を維持していただきます。これが最も大事です。
メンテナンスは半年に1回ですか?
どうしても常時お口には何かが入ってきます。みがき残しや体調のせいで、どこかが悪くなってしまいがちです。小さな歯周炎や小さなう蝕(虫歯)ができてしまうことは普通にあります。
当院では半年に1回メンテナンスに来ていただき、悪い病巣を取り除きます。半年に1回と言っていますが、2日に分けてメンテナンスをします。なぜかというと、上下全部のメンテナンスをするには2時間かかるからです。
歯石を全部取り除き、その後クリーニングを徹底すると、どうしても2時間かかってしまいます。歯科衛生士が集中して目一杯メンテナンスできるのが1時間までです。患者さんもお口を開けて治療を受けるのは1時間が限度です。なので2日に分けて来院していただきます。
その後、歯肉炎やう蝕があれば私が治療をしますが、とくに悪いところが無い患者さんには、半年後に再度来院していただき、常に健康な状態を維持していただいています。
癌や心臓など大きな病気との関連はありますか?
これについては既に検証されていて、お口のケアをしている人としていない人とでは、全身麻酔を伴う大手術の成功率に歴然とした差が出ています。もちろんお口のケアをしている人の方が成功率は高いです。
大手術をすることが決まると、6ヶ月から1年前から歯科医師がお口のケアを始めて、ほぼ完全な状態にもっていきます。歯科医師側からすれば、1年程度の期間が欲しいですね。普段からお口のケアをしている人は、半年以上も待つ必要がないということにもなります。
レーザー治療はいろんな症状に使えます
レーザー光線を使ってどんな治療ができるのでしょうか
レーザー光線だから特別な治療ができるというよりも、従来健康保険でも適用されていた治療がレーザー光線を使うことで、患者さんに痛みを感じさせず早期に治癒までもっていけることが多いです。当院では、健康保険適用の治療時にレーザー治療を併用することで、患者さんのストレスを極限まで減らしています。
保険適用でもレーザー治療を受けられるのでしょうか
例えば血管腫ができて唇に紫色のかたまりができることがあります。
従来ですと、これをメスで切り取って縫合します。麻酔はしますが、多量の出血と術後の痛みは避けられません。ところが、ここにレーザー光線を照射することで、血管腫を無くすことができます。出血も痛みもありません。もちろんレーザー治療機の使い方に習熟して歯科医師がやってのことですが…。
ほかに、歯茎に膿が溜まっている重度の歯周病の治療もそうです。従来ですと、歯茎に麻酔注射をした後にメスで歯茎を切り開き、こびりついた歯石をガリガリとはがします。その後、歯茎を縫い合わせて、後日抜糸をします。これも、歯茎の上からレーザー光線を照射することで、前述の手術と同じ結果が得られます。
ここで肝心なのは、患者さんに痛みが無いこと。
そして、術後から完治までの期間が半分くらいで済むことです。
口内炎の治療、抜歯後の止血等々、レーザー光線の特性、表面の組織の爆発・蒸散
、深層部への温熱効果、リンパの活性化により、痛みがなく早期に治すことが可能です。
レーザー治療を併用することで、どのくらい費用が発生しますか?
健康保険の制度で、レーザー加算というものがあります。
加算する場合は保険点数50~200点で、口内炎治療のように加算されないケースもあります。保険点数とは1点10円ですので、窓口負担が3割の患者さんですと150~600円の負担増で済みます。
一方、歯茎の黒ずみを取ってキレイなピンク色にするとか、元々が健康保険対象外の治療(インプラントやホワイトニング等)での併用では、レーザー治療は自由診療になり健康保険適用外となります。
レーザー治療を実施している歯医者さんは多いですか?
レーザー治療機が普及している割には、レーザー光線を活用している歯科医院は少ないのが現状です。講習会では講義後にハンズオン(専門家が直接手取り足取り教えること)もするのですが、興味を持って真剣に受けてくれる歯科医師は10人中1人か2人です。
薬事法の絡みもあって、「レーザー光線は○○や▲▲に有効です」と謳えないことが原因なのかもしれません。
岡田歯科医院の患者さんをケアをし続けることと、レーザー治療の有用性を広めることが私のライフワークです。
歯医者さんが考える本当に良い歯医者さん
岡田先生がオススメする歯医者さんはどんなところですか?
難しい質問ですね。患者さんの口コミもどこまで真実かわかりませんし…。
とにかく、真面目な先生をおすすめします。
真面目というのは、100%患者さんのために力を注いでくれる先生ですね。そこの歯科医院へ行ったことがある人から聞くのも良いと思います。
「あの医院へ行ったら1時間もブラッシング指導をされた」ということなら行ってみる価値があると思います。あるいはご自分が行って、きちんと説明してくれるか、そして本気で患者のことを考えてくれているかを見極めることでしょうか。態度でわかると思います。
こんな患者さんは困るということはありますか?
あまり困ったことはありません。
あえて言うなら、キャンセルの多い人ぐらいでしょうか。
外国人の方で言葉が通じにくい場合でも、とにかく診療室に入ってもらって適切な治療をします。治療費をもらえない可能性はありますが、おかげさまで今までそんなことはありません。
この記事をご覧になっている方へメッセージをお願いします
お口のケアの重要性がどんどんと明らかになっています。
前述の手術の成功率もそうですし、糖尿病との関連もそうです。
また、一生自分の歯でおいしく食べることができることは、大きな幸福と言えます。お口の中が悪いという自覚がなくても、半年に一度は歯科医院でメンテナンスを受けて一生健康なお口でいて欲しいです。どこかが悪くて治療を受けるにしても、昔と比べて技術が進歩しており、今の歯科医院は決して怖いところではありません。
痛いのが耐えられないという方は、一度、レーザー治療を受けてみてください。
岡田歯科医院でしたら、レーザー治療が可能です。梅田のHEPナビオの6階にありますので、京阪神の方々にはわかりやすい場所だと思います。
岡田 修二 院長(岡田歯科医院)
大阪市北区/梅田駅 徒歩3分
一般に、医療において、求めていくべきものは、精神的、肉体的にバランスの取れた健康とされています。ほとんどの人が、健康を取り戻したい、健康でありたい、ということで、医療機関を訪れます。そして、健康を取り戻した人は、ご自分が、健康と同時に美しさも獲得したことに気が付くのです。
今までは、医療と美しさを求めることは、別のものだと考えられてきました。
しかし、医療技術が高度に発達してきた現在、真の健康を求める人は、結果として真の美しさを得られるのです。
私は全ての人に、美しさを求めて欲しい。
年齢、性別を問わず、それが健康を得られる最も近道だと考えるからです。
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