【神戸市西区】多くの信頼を得て地域に根ざす歯科医院

西尾歯科医院
西尾 元成 院長
(神戸市西区)

公開日:2025.01.22 | 更新日:2025.01.22

西尾歯科医院

神戸市の一角に佇む西尾歯科医院。院長の西尾先生は、30年以上にわたってこの地域の歯科医療を支えてきました。父の医院で幼い頃から歯科治療の世界に触れ、その経験が現在の診療スタイルの礎となっています。口腔外科での研鑽を経て開業し、地域に根差した診療を続けてこられた西尾先生。患者さんへの丁寧な説明と、痛みを抑えた治療には定評があります。

開業当時、この地域は一面がゴルフ場という環境でした。しかし、その静かな土地を選んだ先生の先見性は、今では多くの患者さんに支持される医院としての発展につながっています。朝は高齢者の方々、午後はサラリーマンや子育て世代と、幅広い年齢層の患者さんが訪れる同医院で、西尾先生は日々、患者さん一人一人に寄り添った診療を心がけています。

今回は、歯科医療に対する想いや、開業までの道のり、そして診療において大切にされていることについて、お話を伺いました。

歯科医師になるために

西尾先生が歯科医師を目指されたきっかけは何だったのですか?

西尾歯科医院

私が歯科医師を目指したきっかけは、父の影響が大きいですね。父は阪急六甲でテナントとして歯科医院を開業していました。私が大学3回生の時に父は亡くなり、医院は閉院となりました。

振り返ってみると、歯科医師を目指そうと思ったのは、もっと小さい頃からでした。小学校の卒業文集にも「歯科医になりたい」と書いていたんです。父の医院には技工室があって、幼い頃からそこで模型を作るのが大好きでした。パーツを組み立てたり、歯を作ったりするのが本当に楽しかったんです。

当時の歯科医師の世代は、自分で技工も行うことが多かったですね。父の世代は、見よう見真似で器具や歯を作っていました。その姿を見て育った私は、中学生の頃にはもう「将来は歯科医師になる」と決めていました。

大阪歯科大学に入学し、同級生の3分の1は歯科医の家系でした。私も家族の伝統を引き継ぐように、歯科の道を歩み始めました。卒業後は神戸大学医学部口腔外科で3、4年ほど研鑽を積みました。

口腔外科を選んだ理由は、基礎疾患への対応能力を高めたかったこと、そして外科的処置、特に抜歯のスキルを身につけたかったからです。当時はインプラント治療がまだ一般的ではなかったので、基本的な外科処置を学ぶことに力を入れていました。

例えば、親知らずの抜歯は基本的に自分で行えます。ただし、下顎の神経に近い場合は慎重に対応します。CTやパノラマ写真で神経の位置を確認し、麻痺のリスクがある場合は病院を紹介することもあります。

その後、開業医に勤務しながら、西宮や京都の自費治療を中心とした医院でも経験を積みました。そして29歳か30歳の時に、自分の医院を開業しました。当時としては、キャリアを積んでから開業するのは一般的な道筋でした。

この地で開業された背景と経緯は?

この地を選んだのは、本当に偶然と必然が重なった結果なんです。最初に探したのは、駐車場のある場所。当時の開発状況を考えると、今とは全く違う風景だったんですよ。今は住宅や店舗がたくさん建っていますけど、開業当時はここら辺一面がゴルフ場。県営住宅もなく、本当に何もない更地状態でした。

周りには店もほとんどなくて、静かな環境。でも、それが逆に魅力的に感じられたんです。患者さんが車で来やすく、ゆったりとした雰囲気の場所。そんな条件を不動産業者と一緒に探して、この場所に辿り着きました。今考えると、まさに未来への投資みたいな感じでしょうかね。

西尾先生の得意分野は?

歯科医療は幅広い分野があるので、「得意」って言われると正直難しいんですよ。でも、自信を持って言えるのは口腔外科の外科処置です。特に親知らずの抜歯や、神経を傷つけないような繊細な処置は得意中の得意。入れ歯やクラウンブリッジなどの一般的な治療も、しっかりとこなせます。

ただ、矯正だけは専門外なので、そこだけは他の歯科医院をお勧めしています。子供からお年寄りまで、幅広い年齢層の患者さんに対応できるのが、私の特徴だと思っています。難しい治療や特殊な処置よりも、患者さん一人一人に寄り添う医療を大切にしているんです。

どのような患者さんが多いですか?

私の歯科医院の患者層は、本当に多様です。時間帯によって来院される方が全然違うんですよ。午前中は圧倒的にお年寄りが多いです。昔から通っている常連患者さんが多く、まるで家族のような関係性を築いています。

午後になると、サラリーマンや主婦、お子様連れの家族が増えてきます。大体の割合でいうと、60歳以上の方が約5割。現役世代のサラリーマンが3割、残りの2割が主婦や子供たち。面白いのは、私の年齢と一緒に患者さんの年代も上がっていること。開業当初から通ってくれている方もいて、本当に感謝しています。

大切に先生が大切にしていること

診察の際に、大切にしていることはありますか?

西尾歯科医院

診察で一番大切にしているのは、患者さんの本当の希望をしっかりと聞くことです。まず、患者さんが何をしたいのか、どんな悩みを持っているのかを丁寧に聞き取ります。そして、できる限り痛みを与えない、不安を感じさせないように心がけています。

そのために、とにかく細かく説明することを大切にしています。専門的な言葉は分かりにくいですよね。だから、患者さんが理解できるように、具体的に、そしてわかりやすく治療内容や方針を説明するようにしています。これが患者さんに喜ばれる一番のポイントだと感じています。

患者さんの希望っていうのは、痛みもしくは審美どちらが多いですか?

患者さんの希望は、地域によって大きく異なります。都市部、特に大阪の中心部では審美的な要望が高いと思いますが、この地域では圧倒的に「痛いところを治してほしい」という方が多いですね。

問診票でも、「ここだけ治してほしい」「全体的に見てほしい」といった希望が書かれています。でも、実際は痛いところだけを応急的に治療したいと考える患者さんが7、8割。急いでいる方や、痛みに耐えられない方は特にそう。ただし、定期的なメンテナンスの大切さも伝えたいので、継続的な検診をお勧めしています。3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月など、個人に合わせて検診の間隔を調整し、ハガキでご連絡しています。

先生が目指されている医院はどんな医院でしょうか?

歯科医療の世界は日々進化しています。スタディーグループや同業者との交流を通じて、最新の治療技術や患者さんのニーズを常に学んでいます。インプラントや高度な自費治療など、魅力的な最新医療技術には常に興味を持っていますが、単なる技術の追求ではなく、患者さん一人一人に寄り添う医療を何よりも大切にしています。

確かに、最新のインプラント治療や美容的な歯科治療は魅力的です。一時間近くかけて丁寧に説明し、最先端の技術を提供することも可能です。しかし、それは患者さんの本当のニーズに合っているでしょうか。私が大切にしているのは、儲けや技術の見せつけではなく、その人にとって本当に必要な治療を見極めることなんです。

例えば、インプラント治療。多くの歯科医院では積極的に勧めますが、私はそうしません。まずは従来の入れ歯を試してみて、どうしても合わない場合にのみインプラントを提案します。なぜなら、患者さんが押し付けられたように感じる治療は、決して良い医療とは言えないからです。

私が目指すのは、患者さんとの深い信頼関係を築く医院です。技術的な高さよりも、人間的な温かさを重視しています。初めて来院された方も、長年通っている常連の方も、平等に丁寧に向き合います。痛みや不安を取り除き、安心して治療を受けられる環境づくりに力を注いでいます。地域に根ざした医院として、単に歯を治すだけではなく、患者さんの人生に寄り添う存在でありたい。そう考えています。高齢の方には優しく、お子様には安心感を与え、働く世代の方々には効率的で質の高い治療を提供する。そんなバランスの取れた医院を日々目指しています。

医療技術は日々進歩しますが、変わらないものがあります。それは、患者さんを一人の人間として尊重し、その方の人生と向き合う姿勢です。検査や治療の説明も、専門用語を並べるのではなく、わかりやすい言葉で丁寧に。時には治療の選択肢を一緒に考え、患者さんが主体的に決定できるようサポートします。

経営的な視点だけで考えれば、高額な自費治療や特殊な治療に特化するのも一つの方法でしょう。しかし、私は地域の方々の健康を支える医院であり続けたいのです。保険診療でも丁寧で質の高い治療を提供し、必要に応じて最新の治療も選択肢として提案する。そんな、開かれた医院でありたいと考えています。

インプラントと入れ歯は全然違いますか?

歯の治療は本当に人それぞれで、患者さんによって感じ方がまったく違うんです。入れ歯を選ぶときも、インプラントを検討するときも、一人ひとりの希望や悩みが大切なんですよ。

中には「この入れ歯で十分」と喜んでくださる方もいれば、「違和感がどうしても気になる」と仰る方もいらっしゃいます。例えば、手術をしたくない方は入れ歯で満足されることも多いんです。「もう手術しなくていい」と安心される方もたくさんいらっしゃるんですね。

一方で、どうしても違和感が気になる方は、「インプラントしかない」と考えられる方もいます。特にブリッジは一度歯を削ると後戻りができないので、慎重に選ぶ必要があります。治療法を選ぶときは、患者さん一人ひとりの希望や状況をしっかりと伺い、柔軟に対応することが大切だと考えています。

今は高齢化が進んでいますが、子どもからお年寄りまで、みんなが安心できる治療を提供したいと常に思っています。一人ひとりに寄り添った、優しい歯科医療を心がけているんです。

先生が困っていることはありますか?

歯科医院を運営していて、一番頭を悩ませているのが人手不足の問題です。歯科衛生士も受付スタッフも、本当に集まりにくくなってきているんです。特に7、8年前と比べると、人材確保が格段に難しくなりました。

なぜこんなに人が集まらなくなったのか、いろいろ考えてみました。景気の変動や、若い世代の職業選択の多様化が大きく影響しているのかもしれません。昔と比べて、仕事の選択肢がぐんと増えていますからね。歯科業界だけでなく、多くの業種で同じような悩みを抱えているんだと思います。

人手不足は経営的にも大きな課題です。質の高い医療を提供するためには、優秀なスタッフが必要不可欠だからです。この課題にどう向き合っていくか、日々考えています。

良い歯科医院を選ぶポイントとは

歯科医院を選ぶポイントを教えてください

神戸市歯科医院

患者さんの多くは、インターネットのホームページや口コミを参考にして歯科医院を選びます。当院では、派手な宣伝よりも、信頼できる人からの生の口コミを大切にしています。

正直に言うと、新規患者へのアピールにはあまり力を入れていません。なぜなら、私たちは既存の患者さんに満足していただくことを何よりも大切にしているからです。人づてに広がる本当の口コミ、それが私たちにとって最高の評価だと信じているんです。

現在は1日に35〜40人の患者さんを診ており、経営的にも安定しています。コロナの影響で少し患者数は減りましたが、それでも多くの方に支えられています。派手な宣伝はしなくても、良い治療を続けることで、患者さんとの信頼関係を築いてきました。

芝池 高之芝池 高之

自分に合う歯科医院を見分ける方法は何でしょうか?

歯科医院を選ぶ際に一番大切なのは、わかりやすい説明ができるかどうかです。私は開業当初から、難しい専門用語は一切使わず、患者さんの目線に立った説明を心がけています。

例えば、「今どんな状態なのか」「これからどんな治療の流れになるのか」を、できるだけ簡単で理解しやすい言葉で説明します。専門家だからといって難しい言葉を並べるのは、全く意味がありません。患者さんに寄り添い、不安を取り除くことが私たちの仕事だと考えているんです。

治療の内容や方法を、患者さんがしっかり理解できること。それが、良い歯科医院を選ぶ最も重要なポイントだと私は信じています。誠実さと、わかりやすさを大切にしています。

そのほかに重要なポイントはありますか?

歯科医療の世界は、日々目まぐるしく変化しています。私たち歯科医院は、常に新しい技術と向き合い、患者さんにより良い医療を提供しようと頑張っていて、設備投資の難しさと向き合っています。

チェアひとつをとっても、正直なところ、機能や操作性はそれほど大きく変わっていないんです。20年前のチェアをそのまま使っていたら、確かに古ぼけて見えるでしょう。でも、新しいものに入れ替えるには本当に勇気がいります。技術的な大きな変化がないからこそ、投資するタイミングを見極めるのが難しいんですよ。

以前は、デジタル機器と言えば分厚くて重たいものばかりでした。レントゲンやCTも、最初は本当に使いにくくて高額でした。痛い検査を我慢しなければならない時代もありました。しかし、技術は驚くほど進化しています。今では、以前は想像もできなかったほど薄く、軽く、使いやすい機器が当たり前になっています。

新しく開業する先生方は、最新のCTをごく自然に導入しています。私たちも、常に新しい技術をじっくりと観察し、本当に患者さんの役に立つものだけを選んで導入するよう心がけています。ただし、すぐに飛びつくわけではありません。データや実績をしっかりと確認し、慎重に判断しているんです。CTは、本当に必要な場面でのみ使用しています。例えば、根尖が割れている可能性がある時や、インプラント手術を計画する際、あるいは抜歯の前に下歯槽管をチェックする必要がある場合です。

頻繁に撮影するわけではなく、あくまでも患者さんの安全と正確な診断を最優先に考えています。むやみに被ばくを増やすようなことは絶対にしません。医療機器は、あくまでも患者さんをサポートするためのツールであり、目的ではないと私は常に考えています。

技術の進歩は本当に目覚ましいものがあります。車の世界と同じように、歯科医療の機器も日々進化しています。しかし、大切なのは常に患者さんの立場に立って考えること。最新の機器があるから良い治療ができるわけではありません。医療従事者の技術と、患者さんとの信頼関係こそが、最も重要なんです。

先生から患者さんへのお願いはありますか?

歯科医院をご利用いただく患者さんへ、私からお願いがあります。それは、予約時間を守っていただくことです。

30分の予約枠を取っているのに、遅刻したり無断でキャンセルされると、私たち医院だけでなく、他の患者さんにも大きな影響があります。例えば、緊急で来院された方の治療に支障をきたす可能性があるんです。

予約は、患者さん一人ひとりの大切な時間です。もし来院できない場合は、どうか事前に連絡をいただきたいんです。来なかったら来なかったで構いませんが、私たちに一報いただければ、別の患者さんの予約調整ができます。私たちは、患者さん一人ひとりに最高の治療と時間を提供したいと心から思っています。お互いを尊重し合える関係が、良い歯科医療につながるのです。医院と患者さんが、共に協力し合える。そんな温かい関係を築いていきたいと願っています。

芝池 高之芝池 高之

その他に、治療の中で困ったことはありますか?

麻酔後の注意点について、私たちは本当に丁寧に説明しています。特に気をつけていただきたいのは、麻酔で痺れた唇を噛んでしまうリスクです。かつて、麻酔後に唇を噛んでしまった患者さんから、帰宅後に受付で報告があったことがあります。私たちは一度説明しているにもかかわらず、このようなトラブルが起こることがあるんです。

そのため、私たちは同じ注意点を何度も繰り返し伝えるようにしています。一度聞いただけでは なかなか記憶に残らないため、受付でも改めて注意点を伝えるようにしています。患者さんの安全を第一に考えているんです。

ご覧になっている患者さんへメッセージをお願いします

歯の健康で最も大切なのは、歯周病の予防と定期的なメンテナンスです。歯周病が進行すると、かみ合わせも微妙に変化していきます。そのため、定期的な検診は本当に重要なんです。

特に注意していただきたいのは、噛みしめや歯ぎしりの習慣です。多くの方が、自分で気づいていないだけで、寝ている間に歯を食いしばっているんです。朝起きた時に首や肩が凝っている、だるさを感じる方は、おそらく夜間に歯を噛みしめている可能性が高いです。

歯を見れば、その人の噛み方がだいたい分かります。歯の削れ具合や、歯のコーナーの状態から、歯ぎしりの程度がわかるんです。多くの患者さんは、自分で気づいていないことが多いんですよ。

芝池 高之芝池 高之

歯ぎしりや噛み締めを防ぐ方法はあるんでしょうか?

ナイトガード(マウスピース)をすることをオススメします。ナイトガードは、歯を長く保護するための素晴らしい方法なんです。これは歯にクッションの役割を果たし、不必要な摩耗を防ぎます。既に減っている歯については仕方がありませんが、これ以上摩耗するのを防ぐことが大切なんです。保険適用で作ることができるナイトガードは、個人に合わせて調整されるので、効果的に歯を保護できます。これにより、歯を長持ちさせ、おいしく食べ続け、会話を楽しむことができるんです。

興味深いことに、噛むことには認知症予防の効果もあると言われています。噛む行為は脳に刺激を与え、脳を活性化させるんです。実際、70代、80代の患者さんを見ていると、自分の歯で噛んでいる方と入れ歯の方では、老化の進み方が全く違うことがわかります。

今、口腔内のフレイル(虚弱)が注目されていますが、私は長年の経験から、歯の健康が全身の健康に大きく影響することを実感しています。80代、90代の患者さんの中にも、しっかりと歯が残っている方がいます。一方で、義歯を使用している方は身体的に弱くなっていることが多いんです。

歯を長く健康に保つためには、定期的な検診、適切なナイトガードの使用、そして日々の丁寧な口腔ケアが鍵となります。自分の歯と向き合い、大切にすることで、より健康で活力のある人生を送ることができるでしょう。

私たち歯科医院は、患者さん一人ひとりの健康を心から願っています。些細なことでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。共に、あなたの健康な未来を見守っていきたいと思います。

この記事の監修歯科医師
西尾 元成 院長

西尾 元成 院長(西尾歯科医院)

神戸市西区/朝霧駅から車で7分

大阪歯科大学卒業後、神戸大学医学部口腔外科で研鑽を積む。その後、複数の歯科医院での勤務を経て30歳で開業。特に口腔外科処置を得意とし、親知らずの抜歯や入れ歯、クラウンブリッジなど幅広い治療に対応。開業から30年以上、地域に根差した歯科医療を実践。患者さんへの丁寧な説明と、痛みを抑えた治療に定評がある。

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施設情報

医院名 西尾歯科医院
所在地 〒651-2113
兵庫県神戸市西区伊川谷町256-4
連絡先 078-976-8386
最寄り駅 朝霧駅から車で7分
公式サイト